テレビ東京系の「ワールドビジネスサテライト」の合間にやっている
外為オンラインのCM「あなたのためだから」ってやつ。
これが結構面白い。
西山 茉希演ずるOLが退社しようとすると上司らしき人物がやってきて
「今日はもう終わり?」と聞いてくる
「はい」と答えるなり 目の前のデスクに書類をドサッと落として
「じゃあ、これ やっといて…。例の企画」と言われる。
「いまからですか?」(OL)
「あなたの為だから」(上司)
「はぁ?」(OL)
「あなたの為だから」(上司)
「・・・」(OL)
これ、残業云々の話ではなく、
「あなたのため」という言葉に焦点を当てた場合
【あなたのため → あなたのためと思って(言っている)(と思っている)
→ (発言者としての)私のため】
と、容易にすりかわってしまうことに注目したい。
これを端的に表しているのが同じ会社の別のCM。
カフェでケーキを食べようとしている同じOL、西山 茉希、24歳。
友達と3人で来ているのだが、その友達の一人が
「あなたダイエット中でしょ。私が食べてあげる」
「え、なんで?」(OL)
「あなたのためだから」(友達)
「はぁ?」
「あなたのためだから」(友達)
「・・・」(OL)
こうやって「あなたのため」が「自分のため」に入れ替わって行く様は
まさに独善的としか言いようのないもので、
「あなたのためだから」という発言者側には
あらかじめストーリーが出来上がってしまっている為に、
言葉の受け手側は自分の意思を発露する余地さえない。
時に一方的なコミュニケーションに陥ってしまう人間関係をシニカルに描いた
実に示唆に富んだCMであることに着想を得ると、
自分の言動を振り返り反省したりもする。
いかん!
こんなCMです。私は外為オンラインの回し者ではありません