ワインとムジカとハリネズミ

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リュシアン ボワイヨ


午後イチはコート・ド・ニュイ。
ジュヴレ・シャンベルタン村はリュシアン・ボワイヨ。
あの伝説のクルティエ/バイヤーとして名を馳せるカーミット・リンチもそのコレクションに加えています。

ひと気のほとんど感じられないジュヴレ村の中の普通の民家。
まさかこんなところで造っているとは、と思うほどあまりにも普通のおうち。
その家の中に小さなセラーと、そこそこの広さのフロアに発酵槽が並んでいる。

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「マストの攪拌にはルモンタージュを採用している」
その言葉から、否応にもテロワールワインへの期待が高まる。

ブルゴーニュでのマストの攪拌の方法と言えば、一般的なのはピジャージュ(櫂入れ)。
ルモンタージュ(ポンピングオーバー)は主にボルドーで処置される循環方法ですが、
機械的な動力を使うとはいえ、実はルモンタージュの方がより優しく、負荷を掛けずに
抽出することが出来るということで、アンリ・ジャイエも採用していた方法です。
特に繊細さと複雑味を身上とするピノノワールにはルモンタージュの方が良いのかもしれません。

除草剤の使用は最低限。
エグラパージュ(除梗)はヴィンテージより10%~15%を残す。
梗まで熟すような最高のヴィンテージは
その梗に宿るフィネスをワインとして表現したいというのがその理由。
5日程度の低温浸漬。
発酵は天然酵母で20日ほど。
発酵の最後の段階でピジャージュを用いる。
熟成は新樽率30%にとどめ、フランソワ・フレール製の、しかも3年間天日に晒した木材だけで
組んでもらっているという贅沢さ。樽を締め付けるワッパの一番外側はスチールではなく、
籐を巻きつけたもの。
樽を回しての移動を容易にするらしい。
熟成期間は18か月適度だが、キュヴェやヴィンテージによって変える。
もちろんノンコラージュ、ノンフィルトレ。



「全てはテロワールを反映させたワイン造りを実現させるため」
手法の一つ一つをたどっていってもアンリ・ジャイエの影響を感じる。

こちらが聞きたいことに対して明確に、まじめに。
それもゆっくりと優しい笑顔で答えてくれる当主ピエール氏。


試飲は
ヴォルネー、ポマールたジュヴレの1erコルヴォーから
ニュイ・サ・ンジョルジュの1erプリュリエまで6種。

ヴィラージュレンジは解放感あり、キレイな酸味を湛えた味わい。
濃縮ではない、果実の凝縮感とのバランスも素晴らしい。
上位キュヴェはより複雑味を増している。
紅茶や梅の風味もより際立つ。
エチケットの地味さからは想像のつかない
素晴らしいワインばかりでした。

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飼い主が犬に似る、、、ではないけど、
そんな人柄がワインにも反映するというのはウソじゃない。
全てのワインにおいてピエール氏そのものの実直さを感じるのです。

残念ながら畑を見に行かせてもらう時間はなかったものの、
そのワインの味わいからいかにピエール氏が畑の仕事を重視しているか
想像がつくというもの。


結局、こういう普通の民家で、
これ見よがしな装飾もなく、
自らの手で自らの頭でいっぱい汗かきながら、
村の伝統を尊重しながら
ただひたむきに自然に対峙する生産者と、その生産者から生まれるワインにこそ
私は魅力を感じてしまうのです。


はぁ~、一発目の訪問からやられてしまいました。
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by necotee-ra | 2012-07-15 18:39 | ワイン