ワインとムジカとハリネズミ

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カテゴリ:グルマン( 6 )

バーテン=インプロ=料理人



東京出張、夜の二軒目は浅草。
隅田川沿いのとびっきりオーセンティックなバー、DORAS。
「ヘイ!大将!!」なさっきの居酒屋と比べて、
その店構えからして襟を正さないと入れないようなお店です。


薄暗く調光された店内。程よいボリュームで流れているのはオペラ。
5人が座れるぐらいの木製のカウンターに、小さめのボックスが2つ、だったかな?


カウンター越しのマスターは私より背が低く、少し細めのようだが、
眼光するどく、なんだか威圧感さえ感じてしまうような隙の無さがある。
聞けば、シュートボクシングの経験者。ひょえ~!



このお店、とにかくハードリカーの品揃えがすごい!


ハードリカーの事は、私、全く分からないのですが、
ご一緒させて頂いた方の話によると
このお店、相当なツウをも唸らせてしまうぐらいのストックがあるとのこと。


これほどまでのお店に入るの、実は初めてかもしれません。
マスターの知識の豊富さと仕入れの目利き、お客さんとの会話の仕方、
取り揃えられた商品の豊富さと、重厚なお店の調度品、
音楽、照明といった全ての要素が醸す格の高い空気感。


ビビリすぎてちびりそうになってた私ですが
いい経験になったし、本当に勉強になりました。



例えば、同じホワイトのラムでも柔らかい・硬いって、味の違いが分かったっていう単純なことも
初めての経験だったのですが(そうなんです。私まだまだこのレベルなんですよ、こっち方面)、
マティーニ(これなら知っとるゾ!)を作る時など、トロミを出す為に
使う氷のその時の状態によって、ベースにするジンを変えたり、ステアする回数を変えたりするんですねぇ。

それと、お客さんとマスターの駆け引き。
すごく漠然としたお客さんのオーダーに、楽しみながら応えて作り出されるオリジナルのカクテルたち。

「夏、まず一杯目に飲みたいスカッとしたやつ」には
ペールジュルのカルヴァドス3年のハイボールを。
シンプル極まりない上にフィーリング的にドンピシャ。
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隣のお客さんの「婦女子が喜ぶヤツをワインベースで!」で出てきたのがこれ。
スピールマンのエデルツヴィッカーにグレープフルーツをステアしたものをチョイソで。
仕上げにブルーキュラソー1tspってところだったでしょうか。
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マスター曰く、どちらもベースがしっかりしているから多少の手を加えても最終的な味がブレないんだとか。



こういった世界観、ジャズのインプロそのまんま。
ピアニストはピアノの全てを知り尽くしているから遊ぶことが出来る。
客からのインプロに、マスターがまた余裕のインプロで応える。
素材の良さを知っているから、即興でアレンジが出来る料理人にも通じる。


マスターはお客さんの、お客さんはマスターとそれぞれ会話を楽しみながら
そしてその会話を通してマスターはベストな商品を提供する。

これって全ての商売に通ずる事とは言え、
今まで避けて通ってきた業態のお店から
このような事を感じる事が出来たのは私にとってとても新鮮だったのです。


きっと、カッコばっかしのお店だったら、こんなこと微塵も感じ取る事は出来なかったでしょう。
ホンマもんだけが発する説得力。
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by necotee-ra | 2009-07-24 09:02 | グルマン

ハイブリッドは車の世界だけやありません


先週木曜は東京へ。
ここは森下、山利喜新館。


まずは生ビールで喉を潤し、ティソ泡ボトルへ。
提供される温度も絶妙。
ワインが元々持ってるポテンシャルを引き出す要素の一つとして
この「温度」ってかなり大事なんだなって
客観的な視点で再認識させられる。

次はお店のオススメで、ラングドックの蔵元ムーレシップの日本初入荷「プラン・プラン07」。
シラー100%
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お店の方に聞くところによると、実は先月、直接生産者に会うために蔵元まで訪問されて来たらしい。
しかもさっきのティソにまで!

なんでも
このムーレシップのアラン・アリエは元々ラングロールのエリックと同じ村で育ったそうです。
アランはエリックのひとつかふたつ年上だけど、幼少時代を共に過ごし、
しかも、自分のドメーヌを興す直近までエリックと一緒にラングロールのワインを造っていたとのこと。
つまり、彼はエリックのブドウに対する接し方や醸造法を一番間近で見て来た方なんですね。
そして共に感性を共有し、その感性を互いに研ぎ澄ましてきた最大の理解者という訳。

しかし、このプラン・プラン、一言で旨い!それしかない!
ボリュームはあるのに、こんなに新鮮で、もぎたてピュアなシラー100%なんて
そうそうないじゃないでしょうかね~。エリックのワインとタッチがよく似ている。
しかも、これまたツボにはまる温度でのご提供!素晴らしい。


ところで、こんなワインが供されるお店って、どんなんなん?
ビストロ?レストラン?


いえ、居酒屋です。
得意はモツ系。直球の居酒屋。
コレ見てください。壁一面の黄色い張り紙。メニューです。THE居酒屋ですよね。
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テーブルはなんてことない食堂仕様。
ワイングラスは「居酒屋なんぞ脚長なんぞしゃらくせー!」とばかりに、水用グラスのゴブレット。


関西は名阪国道沿いにトラックの運ちゃんたち御用達になってる
土手焼きがめちゃくちゃ旨い店があるけど、ここもそんな雰囲気。
(分かる人には分かる!)

コレ、山利喜名物の一つ「(てっちゃんの)煮込み玉子入り」
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仕事帰りのおっちゃんおばちゃん、自然派ワイン片手にやきとん、子袋。
あっちでリショー、こっちでヴァレット。
「だって美味いんだもんねー」



超ハイブリッド!!
いや~参りましたわ。
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by necotee-ra | 2009-07-21 09:03 | グルマン

ベルベルバール


三ノ宮の東門を北に上がって、少し東に行ったとこ、
つまり北野坂と東門の間にイタリアンバル「BER BER BAR」はある。


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オーナーはまだ40手前だったか、40ちょい過ぎだったか、
30半ばで建築デザイナーの職を捨てて、中近東~北アフリカを旅され、
その旅行で触れたベルベル人の文化に触発されて、この屋号を付けられたのだとか。
ベルベル人のことはよく分からないが、2階席の、オーナー自身が設計、施工された
内装やテーブルなどのインテリアは中近東の雰囲気をいやがおうにも感じさせる。

以前から、この店の噂は聞いていたが、
この間行ってみて、そのクオリティの高さに驚いた!
正直、三ノ宮の気鋭と言われる飲食には、
どこか「なんちゃって」的な要素を感じていたからだ。


このお店の素晴らしいとこは
まず、料理、次にワインの目利きに店が醸し出す雰囲気。

青木シェフの供す料理は考え抜かれたシンプリシティと色彩の鮮やかさの極致!

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イワシのタルタル。
クネルにされたイワシのタルタルを卵黄をベースにしたソースと絡めてという一皿。
オクラのネバトロと長芋のネバシャキが食感を豊かにする。
料理を食べていると自然にワインが欲しくなる。

現に左右見渡せばサラリーマンもギャルもみんなワイン。
なんかイサキの煮込みに合う赤ワインを、というリクエストで出てきたのは
南ローヌのマス・リビアン「ブドゾン」。
こういうのが自然な流れでサラ~と出てくる店ってそうそうない。

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完熟ブドウの甘い粒だけを選んで、
ググッとアルコールにしただけですって装いの、これまたシンプルなパワーをしたためたワイン。
ちなみにこのマス・リビアンの造り手ティボンさんは女性。
写真を見せてもらったら、エキゾチックな顔つきがなんとも魅力的。
マルセル・リショーもラングロールのエリックも彼女の大ファンだそうな・・・
(ワインも美味いが、なによりカワイイという理由で)


このバルには活気がある。
スタッフが飛び切り元気な訳ではないけど、スタッフのキビキビとした動き、
オーナーのサジェスチョン、美味い料理とすぐ横の(本当に間隔がない!)お客さんの
おしゃべりの中で、なんだかこちらも楽しくなってくる。


一時、もう三ノ宮なんてって思ってたけど、
いや~侮れませんな。
しかも普段使いも出来そうなぐらい結構リーズナブル!
こんなかっこいいお店が増えることを期待します
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by necotee-ra | 2009-06-29 00:59 | グルマン

豚玉さん

ちょっとお財布と相談して外食に出かけるとき、
いわゆる洋食屋とか創作料理などは避けることが多いが
久宝寺の時分時と高津神社近くの豚玉だけは別の話。


先日の土曜、久しぶり豚玉に行った。


時分時もそうだが、豚玉は何料理と聞かれたら、表現のしようがない。
時分時だと、鉄板焼きだと答えることが出来るかも知れないが(しかし、概ね、だ)
それだけではない何かが喉の奥に残ってしまうような気持ちになる。
店主の料理だとしかいいようがない。


グリーンアスパラのプリンに始まり、
おつまみの盛り合わせ、
(キッシュや揚げ春巻き、ポテトサラダ・・・そうこのポテサラが絶品なのです)
セロリの入った水餃子、
カレーパン。
シメに豚玉とカスタードプリンを頂く。

ね、カテゴライズ出来ないでしょう?(笑)



この日、一番輝いていたのがグリーンアスパラのプリン!
加糖なしの自然の甘みがギュギュッと凝縮された、
淡く、滋味深い味わい。
プリンという表現上、どうしても気になるのが食感だが、これもまた
プリンとしかいいようのないジャストな固さで、ど真ん中!!
ムースみたいな広がりかたではなくて、舌を上あごにくっつけて
ニュルンって解けていくような感じ。
カップの中にもアスパラがゴロゴロしている。


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あわせたワインはクリストフ・パカレの「シルーブル07」。
フィリップ・パカレの従兄弟だ。
あのマルセル・ラピエールのワインを実質上造っていた人物でもある。
マルセル・ラピエール直伝ということで、デコンブやフォワイヤールが挙げられるが
本当の意味ではクリストフ・パカレしかいないといっても過言ではないらしい。

実は日本以外では既にクリストフ・パカレ単独のワインは市場に流れていたらしいのだが
今までライセンス契約上日本では販売出来なかったものとのこと。

で、このシルーブル、噂に違わず素晴らしい出来。
瑞々しく、柔らかく、そして時間とともに甘ささえ感じるぐらい
マッタリとした溶けるような喉越し。
こういうのを飲むと、本来のガメイの底力にビックリさせられる。


そして、このアスパラのプリンと泣けるほどに上手く合い、
カレーパンにも豚玉にもこれ以上ないと言うぐらいの!!

ふつうお好み焼きにはシラーかグルナッシュっしょ
が簡単に覆されてしまう組み合わせなのでした。


この日だけで「ウマー!」の300連発。

かっこいいナイフとフォークで食べるより、
断然お箸とか、そのままの指でつまみたくなるようなリラックス感。
だってメニューが背伸びせんでもいいでしょ?
で、飲めるワインはこういうの。
ホンモノのハイブリッド感。

ブラボー!!
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by necotee-ra | 2009-06-09 08:51 | グルマン

肉、肉そして肉に次ぐ肉なお店



金曜日は中目黒のトロワ・ピエロへ。
ここは運がよければ月の輪熊まで食べることの出来るレア肉+ジビエのメッカ。

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この日は北海道の地馬のタン、ハツのカルパッチョから始まり、
馬肉のタルタル、そして自家製シャルキュトリーへ。
そして有機野菜のバーニャカウダをはさんで
最後は丹波猪とそのレバーのグリエ。
肉、肉、肉。そして脂、脂、脂!!!
一年分ぐらいの肉脂を一日で食べてしまったんじゃないかと言うぐらいの
濃厚なディナーです。

飲んだワインもこれまたある意味濃厚。
グランド・コリーヌ ル・カノン・ロゼ・プリムール08(ミュスカ・ダンブール)
四恩醸造 ローズ07(甲州)
ツィント・ウンブレヒト ZO06(ピノ・オーセロワ、ピノ・ブラン、シャルドネ)
ステファニア・ペペ チェラスオーロ06(モンテプルチャーノ)
アンリ・ボノー レ・ルーリエVdT(グルナッシュ、サンソー)
ボー・ペイサージュ ラ・モンターニュ07(メルロー/ノンフィル、SO2無添加、補糖有)
に和酒少し。

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このワインリストを見ていただければ分かると思いますが
超濃厚な味わいに繊細なワインの組み合わせ。

馬肉タンのカルパッチョにウンブレヒトが合うわけないわけで・・・
(猪とメルロは良かったけど、助走が長くてもうおなかいっぱい)

この日気づきました。
私はあっさり旨み系が身体に合うみたいです。
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by necotee-ra | 2009-04-12 22:59 | グルマン

これからの大阪フレンチ事情


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ナニワのパリのビストロ、あるいはカーヴ・ア・マンジェ、「ヌー・パピヨン」へ。
言わずと知れたDAIGAKUさんの新店です。


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サラダ・ニソワーズ(待ち合わせに間に合わず未食。残念)、
エスカルゴのブルゴーニュ風シャンピニヨンと
(こういうスタンダードな一皿に実力が出るってもんです!)
ターター・ド・ブッフ(赤身のターターなのに匂いなし!)
クレーム・キャラメル(甘いもんははずせません)

などを食べ、

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ポッシブル(コウマ・アコだったかな?酔っ払って覚えてないけどポッシブル大好き!)
マルセル・ラピエール モルゴン07(Sの方。今のとこSO2無添加のNは完売の状態)
ティエリー・アルマン コルナス・サン・スフル04(こんなにスルスル飲めるローヌってもの!)
で喉を潤す。

このお店は
女性1人でも安心して飲みに来れる。
2店目、3店目にも使える。
さっと来て立ち飲みにも使えるし、
ガッツリ食べたり、飲んだりすることだって出来る。
その日も年配の女性の方がカウンターでカフェをすすってました。夜の11時。

お店のコンセプトは明快ながらも(←DAIGAKUさんのHPをチェック!)
使い方を選ばないお店ってそうそうないんですよね、大阪には。

東京はこういうお店が結構ある。
ガール・ド・リヨンやウグイス、そしてアヒルストア。不況に拘らず連日満席。
それもハンパな満席具合じゃない!!

今、少し元気のない大阪においては
DAIGAKUさんのような人がキーマンになるかも知れません。
「フランスのビストロ文化は東京だけでなく、大阪でも絶対に根付くはず!」
という信念。そしてそれを実証しようとする気概。

サービスマンからオーナーに。
そしてDAIGAKUさんはプロデューサの域にまで達しようとしています。



こんなお店には、まさにカーラ・ブレイとスティーヴ・スワロウのイヤラシメオトジャズも・・・
Carla bley & Steve Swallow [MAJOR]

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by necotee-ra | 2009-04-12 00:54 | グルマン