ワインとムジカとハリネズミ

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サン・トーバンの伝統

ヴージョのあとは74号線を南下。
74号線は一応「国道」なんですが、片側1車線(たまぁ~に2車線)。
いわゆる地方の国道。日本でいう1号線や2号線を想像してはいけません。
ワイン好きにとっては憧れの土地であっても
つまるところド田舎ですもん。

平坦に広がるピュリニー・モンラッシェのブドウ畑を右に見ながら、しばらく進むと
少し南にくだるとジャンクションにぶつかります。
そこで6号線に接続。西に向かって進みます。
向かうはサン・トーバンの村。

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大きなカーブをゆっくり左に曲がりながら
山(というか森)の合間を抜ける。

太陽のコントラストが美しく映える。
峠の山あいを走っている感覚。
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ドメーヌ・ルー。
1885年創業。サン・トーバンに拠点をもつ歴史ある生産者。
コート・ドールの北はジュヴレ・シャンベルタンから南はメルキュレまで13の村に畑を所有。
今ではネゴシアン業も営む他、南仏でもドメーヌを興すなど事業を拡張しながらも、
家族経営にこだわっているとのことです。

このドメーヌが目指しているのはブドウの繊細な果実味。
とはいえ、結構バニラやアーモンドのブーケが目立っています。

「この白ワインのこの香りは本当にブドウの果実味からくるものか、
それとも新樽での熟成からくるものか」という質問にムグムグ~っとさせてしまいました。
ちょっと意地悪やった??

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ひとつのワインを数種のラベルに貼り分けてリリースする。

このことは「モンドヴィーノ」では批判的に描かれていたけど、
ドメーヌを存続させること、それによって働く人たちの生活を守ること、
そして伝統を継承させることが、それによって出来るのであれば、
私はそれもありかなぁって思うのです。

自分自身は1本を飲み干そうとは思わないけど、
新樽を使って、バニラやナッツの香りを醸成させることも
今の風潮に合わせてやっているのだとすると、
それもありかなぁと思ってしまう。

だって、経営に行き詰って、跡継ぎに継承出来るものがなくなってしまったら?

伝統を忘れず、ブルゴーニュの生産者としてのプライドを捨てないのであれば。
この辺のバランス感は相当難しいと思うんだけど...

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これは現当主のお父さんとお母さん。
ほっこりしてますなぁ~



それにしても、サン・トーバンの村の佇まいは美しい!
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# by necotee-ra | 2012-08-26 16:58 | ワイン

ヴージョ



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ブルゴーニュを巡る旅のガイド本に必ず掲載されているのが
オスピス・ド・ボーヌとシャトー・クロ・ド・ヴージョ。

2日目はシャトー・クロ・ド・ヴージョに寄ってきました。
大きなグランクリュの畑の中にそびえる
まさにシャトー(城)のような外観の建物。
ブルゴーニュワインの歴史を伝える博物館にもなってて一般の私もビアンぶにゅ。

建物の中には昔々の大型醸造設備がたくさん展示されていて
いかにワイン造りが大変なものだったかを体感出来ます。

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これ。この大型の圧搾機!

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毎年のシュヴァリエ・ド・タストヴァンの叙任式もここで開かれています。



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シャトーのまわりはだだっぴろいブドウ畑。
これがグランクリュ、クロ・ド・ヴージョ。
写真はシャトーの東側。


サッカーグランド50個分ぐらいの広さの畑を
78人が所有していて、それぞれの所有区画からそれぞれのワインを造っています。

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しかし、柵も看板もないこの畑。
どっからどこまでが自分んとこの畑なのか分かるのだろうか...


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行ったときはちょうど新芽が吹きだしはじめた季節。


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これはシャトーの北側。
向こう側の畑はクロ・ド・ラ・ペリエール。
モノポールのプルミエ・クリュ。





しかし、悔やまれるのは、
行く前にもっとこのヴージョの、というよりも
ブルゴーニュワインの歴史と文化を事前に勉強しておくべきだったってこと。
歴史的な建造物や、世界遺産なんかは特にそうだと思うけど、
その歴史を知っておいた方が数倍楽しめる。

クロ・ド・ヴージョとカトリック・シトー派の関係。
シトー派のワイン造りに対する執念とテロワールの関係。
そこから派生するブルゴーニュ・グランクリュの成り立ち。
フランス革命と大戦への関わりなどなど。

ブルゴーニュのそれぞれの蔵元の個性を追求するのも楽しいけど、
なぜその個性がワインとして表現されるのか。
そこにはブルゴーニュならではの歴史と文化にしっかり裏打ちされているんですね。
日本に帰ってきて、いろんな本を読んだけどもっと早くに読んどくべきでした。

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いまから!と思われている方へのちょっとの親切(大きなお世話...)

『ほんとうのワイン-自然なワイン造りへの回帰』
(パトリック・マシューズ著、立花峰夫訳、白水社)
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『ブルゴーニュ-ワインとグルメと歴史にひたる』
(旅名人ブックス)
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『テロワールとワインの造り手たち』
(ジャッキー・リゴー著、野澤玲子訳、作品社)
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『アンリ・ジャイエのワイン造り』
(ジャッキー・リゴー著、立花洋太訳、白水社)
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『ブルゴーニュ 華麗なるグランクリュの旅』
(ジャッキー・リゴー、野澤玲子訳、作品社)
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『ワインと風土-歴史地理学的考察』
(ロジェ・ディオン著、福田育弘訳、人文書院)
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# by necotee-ra | 2012-08-11 23:01 | ワイン

リュシアン ボワイヨ


午後イチはコート・ド・ニュイ。
ジュヴレ・シャンベルタン村はリュシアン・ボワイヨ。
あの伝説のクルティエ/バイヤーとして名を馳せるカーミット・リンチもそのコレクションに加えています。

ひと気のほとんど感じられないジュヴレ村の中の普通の民家。
まさかこんなところで造っているとは、と思うほどあまりにも普通のおうち。
その家の中に小さなセラーと、そこそこの広さのフロアに発酵槽が並んでいる。

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「マストの攪拌にはルモンタージュを採用している」
その言葉から、否応にもテロワールワインへの期待が高まる。

ブルゴーニュでのマストの攪拌の方法と言えば、一般的なのはピジャージュ(櫂入れ)。
ルモンタージュ(ポンピングオーバー)は主にボルドーで処置される循環方法ですが、
機械的な動力を使うとはいえ、実はルモンタージュの方がより優しく、負荷を掛けずに
抽出することが出来るということで、アンリ・ジャイエも採用していた方法です。
特に繊細さと複雑味を身上とするピノノワールにはルモンタージュの方が良いのかもしれません。

除草剤の使用は最低限。
エグラパージュ(除梗)はヴィンテージより10%~15%を残す。
梗まで熟すような最高のヴィンテージは
その梗に宿るフィネスをワインとして表現したいというのがその理由。
5日程度の低温浸漬。
発酵は天然酵母で20日ほど。
発酵の最後の段階でピジャージュを用いる。
熟成は新樽率30%にとどめ、フランソワ・フレール製の、しかも3年間天日に晒した木材だけで
組んでもらっているという贅沢さ。樽を締め付けるワッパの一番外側はスチールではなく、
籐を巻きつけたもの。
樽を回しての移動を容易にするらしい。
熟成期間は18か月適度だが、キュヴェやヴィンテージによって変える。
もちろんノンコラージュ、ノンフィルトレ。



「全てはテロワールを反映させたワイン造りを実現させるため」
手法の一つ一つをたどっていってもアンリ・ジャイエの影響を感じる。

こちらが聞きたいことに対して明確に、まじめに。
それもゆっくりと優しい笑顔で答えてくれる当主ピエール氏。


試飲は
ヴォルネー、ポマールたジュヴレの1erコルヴォーから
ニュイ・サ・ンジョルジュの1erプリュリエまで6種。

ヴィラージュレンジは解放感あり、キレイな酸味を湛えた味わい。
濃縮ではない、果実の凝縮感とのバランスも素晴らしい。
上位キュヴェはより複雑味を増している。
紅茶や梅の風味もより際立つ。
エチケットの地味さからは想像のつかない
素晴らしいワインばかりでした。

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飼い主が犬に似る、、、ではないけど、
そんな人柄がワインにも反映するというのはウソじゃない。
全てのワインにおいてピエール氏そのものの実直さを感じるのです。

残念ながら畑を見に行かせてもらう時間はなかったものの、
そのワインの味わいからいかにピエール氏が畑の仕事を重視しているか
想像がつくというもの。


結局、こういう普通の民家で、
これ見よがしな装飾もなく、
自らの手で自らの頭でいっぱい汗かきながら、
村の伝統を尊重しながら
ただひたむきに自然に対峙する生産者と、その生産者から生まれるワインにこそ
私は魅力を感じてしまうのです。


はぁ~、一発目の訪問からやられてしまいました。
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# by necotee-ra | 2012-07-15 18:39 | ワイン

ノートルダム・フェルヴィエール


残念ながら改装中のリヨンのノートルダム。
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天井のあの高さはとび職人(?)の足場が組まれて、その荘厳も半減。


フランスの他の地方とかいろんな国からの観光客も多く、そこそこに。
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足場が見えてます。

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フェルヴィエールの丘から見おろすリヨンの街。
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午後はいよいよコード・ドール。北海道を思わせるだだっ広い草原の
菜の花やシャロレーの牛の牧場を眺めながらの4時間のバス旅路。
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# by necotee-ra | 2012-06-09 22:26 | ひとりごと

リヨンのマルシェ


コート・ドールへと立つ前に、少しリヨンを散策。


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あ~、どこ撮っても画になるわ~

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リヨン市内の屋内施設内にあるマルシェをのぞく。
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テレビでよく観るような
青空マルシェとは全然違ったおもむき。
すこし雑多な感じがまた独特。


MONS。
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あのMOFのMONS氏の

確かにここのチーズを食べたら
他のチーズが「う~ん」になってしまうぐらいの熟成の妙を感じずにはいられない。



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フレッシュなうちに食べて旨いものはほんとのフレッシュの状態で。
熟成させて旨いものはしっかり、でも魔法のような技で熟成の旨味を引き出す。



ペライユが、この熟成感で5ユーロ代(!)
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サントモールがこのとろ~り感でたったの6ユーロ(!!)
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チーズ4種類とワインのマリアージュセットが、お店の一角に設けられた
カウンタースペースで楽しめる。6ユーロぐらい。


この日はヒツジとヤギの特集。
熟成したピコドンのぬるっと感とニームの白の相性ったらなかったなぁ。
熟成したピコドンは一回ジャパンで食べたことあるけど
旨味の違いは雲泥の差ぐらいありましたで。

控えめに言ってもびっくりの体験が出来ます。

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MONS。おすすめ。




次向はリヨンのノートルダム寺院。
まぁ、それなりの観光も経験しておかないと。
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# by necotee-ra | 2012-06-04 00:59 | ひとりごと