ワインとムジカとハリネズミ

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群と個


一匹狼ってのとは全然違うけど、私は群れるのがあまり好きではない。
というか苦手。

自分の考えや意見をダイレクトに他人に伝える事が得意でないし、
そのタイミングを逃してしまうことも多い。

「分かってくれる人が一人でもいればそれでいいじゃないか」って、
外で仕事してりゃ、それで良い訳ない事ぐらい知っている。

だからこそ、逆にもっとまみれて、もっと自分を抽出する作業が必要になんでしょうなぁ~。

あるワインの生産者が言っていた。
「最近、自然派といわれるワインが美味しくなってきた。
それは横同士のつながりが出来たからなんじゃないかな」って。

確かにそうかも。
例えば、クルトワは10年前に比べて格段に美味しくなりましたよね。
彼の場合、金銭的な問題のせいでブレタノが多かったが、
直接的にはマルク・アンジェリの影響が大。
ニコラ・ジョリーだってそう。
「ルネッサンス・デ・アペラシオン」というグループを率いてからの方が、逆に
その味のターゲットが明確になったと思う。
(ルネッサンス・デ・アペラシオンの詳細はこちら→http://www.biodynamy.com/index-fr.php

みんな、それぞれの立場の違いこそあれ、
色んな意見の中に身を置いて触発され、切磋琢磨して
進んでいく路を見つけたり、より高みに進むことが出来たりしたんでしょうね。


先日飲んだシャルドネは、そのルネッサンス・デ・アペラシオンのメンバーのひとり、
イタリア、プーリアのチェファリッキオ。
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広大な農園の中で、桃やオリーヴ、トマトをはじめとするいろんな野菜を育てながら
ホンの少しのブドウ畑で、きらぼしのようなワインを造る。
彼がビオディナミを採用したのは
「本来の農作物大国プーリアを取り戻したい」「後世に豊かな自然を残したい」
という彼の想いに端を発する。
ちなみに、07年から醸造責任者が変わったようだが、その造りの変化は明確。
06年の同じワインとはVTの違い以上の違いを感じさせる1本。
ブルゴーニュに近いぐらいの凄みあるミネラルと、
今までにない旨みの広がり方。




一方、殆ど誰とも交わらず、爺さんの代から引き継がれた豊かな農園の中、
チェファリッキオのような大きな気概云々以前に、
代々伝わる方法しか知らずして
すごいワインを造っている80超えた爺ちゃんがいる。
レオン・デフリエシュのペール・ジュルがそう。
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この間飲んだのはポワール(泡)。

糖度計を使わず、狙った香りに果実が熟した時に収穫をする。
人工酵母を用いず、果実の皮に付着した酵母で自然発酵させる。
カルヴァドスにいたっては
他の生産者が人工酵母で無理やり1ヶ月で発酵を終わらせたあと、
すぐに蒸留工程に入れてしまうのに対して、
彼の場合、自然発酵にあと、シュール・リーで1年熟成させた後に
やっと蒸留させるというこだわりよう。
完成品に感じられる圧倒的な香り。
今まで飲んでたのは何やったん?ぐらい。
それぐらいレベルが違いすぎる!






どちらも人を感動させるワインの造り手だけど、
横とのつながりの中、最高のワインを目指す「ルネッサンス~」軍団の一派と
「フィリップ・パカレって何だソレ?」な独走自然派田舎ジジイのこれほどまでの対比。


バックグラウンドは全然違うけど、自分が望むワインを造る上でやりたいこと、やりたくないことは一緒。
自分は何を目指すのか、目指すゴールが自身の中で明白であるかどうか。
そのためには何が必要なのか。
結局はこういったことを分かってるって事こそが、
他人をひきつけ、他人を説得させる一番のキーであるような気がする。
(そして明白であればこそ、群れを成してもブレることなく、他人の意見をモノにし、
自分の考えをより肥沃なもに出来る)
最近になって、やっとそんなことを意識しだしたのです。
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by necotee-ra | 2009-09-24 01:19 | ワイン